アルバート・エリス(Albert Ellis、1913年9月27日 - 2007年7月24日)は、北米アドラー心理学会に所属したアメリカの臨床心理学者。 REBTの創始者として知られた。彼は短期治療法を信じ、ジークムント・フロイトによる時間のかかる手法に挑み、アーロン・ベックによる別の技法(認知療法)と共に、今では認知行動療法と呼ばれている分野の基礎を築いた。アメリカの1982年の臨床心理学者への世論調査では、その分野に大きな影響のある人物としてフロイトを抜いて2位に選ばれ、1位に(来談者中心療法の)カール・ロジャース、3位に(精神分析の)ジークムント・フロイトが挙げられた。また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。
アルバートエリスのREBTのコンセプトは、ABCDE理論で表現することが出来る。そこでここでは、ABCDE理論を説明したい。
「ABCDE」は、Activating event、Belief、Consequence、Dispute、Effectsの頭文字を取ったもので、各々以下の内容である。A(Activating event):さまざまな出来事。 B(Belief):人によって異なる受け取り方や考え方。C(Consequence):ある出来事に直面したときの感情や行動
D(Dispute):自分の中にある非論理的思考への反論 E(Effects):反論することでもたらされるよりよい結果。人間は、様々な出来事(A)に遭遇するが、その出来事をその人の持つ人生哲学(B)よって、推察、解釈して、その出来事に直面した感情や行動(C)をする。従って、その感情や行動(C)は、(B)によって規定される。つまり、どの様な出来事(A)であっても、それが、直接、(C)に結びつくことはないという考え方である。そして、不適切なBを論駁(D)することによって、効果(E)を上げようとするものである。REBTでは、相談者のイラショナルビリーフに対して、反論を行いながら、相談者のビリーフを修正することによって、成果を上げるようとするものである。
A⇒生じる出来事
確認できる出来事・相談者の想像した出来事
推論、出来事に対する解釈
B⇒ビリーフ
評価的認知・見解
イラショナルビリーフ
ラショナルビリーフ
C⇒感情的・行動的結果
不健康でネガティブな結果
健康でネガティブな結果
※REBTは、エレガントソリューションであり、推論的認知には働きかけないのが、基本。評価的認知のみに働きかける。また、働きかける場合があったとしても、評価的認知に働きかけ、その後、これがどうしても効果を発揮しない場合に、推論的認知に働きかける。ここが認知療法との違いの一つ。
(ア)ラショナルビリーフとイラショナルビリーフREBTでは、「人は目で見える世界に住んでいるのではなく、目で見える世界をどう受け取っているか、その受け取り方の世界に住んでいる」という考え方に立っている。そして、その受け取り方には、ラショナルビリーフ(まともな受け取り方:事実に基づいた、論理的な、柔軟性に富んだビリーフ)と、イラショナルビリーフ(おかしな受け取り方:論理的でない、非現実的な、硬直的なビリーフ)があり、「イラショナルビリーフを数多く持っている人は、人生が苦悩に満ちたものになる」。人は、誰でも、イラショナルビリーフを持ちやすいし持っている存在。その人にとって大事なことであれば、あるほど、期待、願望、欲求が要求化しやすいが、それは、論理的とは、言えない。
(イ)ラショナル・ビリーフの特性
〇目的や目標の達成に役立つ
〇論理的(説明に無理がない)
〇経験に基づいて現実と一致している。
(ウ)イラショナル・ビリーフの特性
〇目的や目標を達成することを妨害
〇非論理的(説明に無理がある)
〇経験的に現実と一致しない。
(エ)イラショナルビリーフの源泉3つの基本的「ねばならない」は、どこに向かうか
1. 自分自身に対する要求 私は絶対に失敗するべきではない。
2. 他者に対する要求 同僚は仕事を一生懸命するべきだ。
3. 世間/人生/状況に対する要求 人生は計画的に進むべきだ。
(オ)イラショナルビリーフの分類
(カ)なぜ人は、イラショナルビリーフを持つのか
1. 親・友人にそのように暗示をかけられたからに
2. 文化による汚染
3. 自らイラショナルビリーフを作り上げる
(キ)感情とビリーフの関係
健康でネガティブな感情が大きく、激しくなった感情が、不健康でネガティブな感情。人は、自分で自分につぶやく(セルフトークで、自分の感情を煽り立ててしまう)
(ク)ポジティブ(お気楽)と不健康でネガティブな感情、健康でネガティブな感情について(ヤーキーズドットソンの法則)
緊張度低い=お気楽ポジティブ 緊張度高い=不健康でネガティブ。効果のある幅の領域が、健康でネガティブな感情ととらえる。REBTは健康でネガティブな感情を目指す。
図のように、REBTは、イラショナルビリーフをラショナルビリーフに書き換えることで、不健康でネガティブな感情を健康でネガティブな感情を持てるように論駁(吟味)する。REBTの本質は、イラショナルビリーフの特定とその論駁にある。推論的認知に働きかけたり、事実に働きかける事は、REBTではない。また、所謂お気楽という意味でのポジティブに変えてしまうこともREBTではない。REBTの目的は、enjoy&survivalである。単に安直にその場しのぎのenjoyを実現するものではない。
◆論理的か
例 何かを間違えてしまっただけで、ビジネスマンとして失格とは論理的ではない。
◆柔軟か
例 1度の失敗で、自分自身の力量を判断してしまうのは、あまりにも硬い考え方である。
◆現実的か
例 どんなに賢い人でも、失敗する。1度の間違えで自分自身を否定しまうのは、現実的とは言えない。
◆役に立つか
例 社会人失格と自己否定することで自信をなくし、成長を妨げるのは、自分にとっても周りの人間にとっても全くメリットがない。つまり、何の役に立たない。
この様に、客観的にチェックしていくと、考えていたことが非論理的であることが分かります。そう考えることで「何をしてもダメな人間だ」というような、自分の首を絞めるような思考から脱出できるのです。マイナス思考になってしまった時は、4つのチェックポイントで、客観的に見直してみることが必要です。
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